いつのまにか、出版した本の数が年齢を超えてしまいました。でも、40年近くでこれだけですから、少ないほうでしょう。どの作品も、書いているときは全力投球。思い出がぎっしりつまっています。その中で数冊、選んでみました。
ファンタジーが大好きなのに、自分では書けないと思い込んでいました。白亜紀にタイム・トラベルした現代っ子たち。いじめられっ子の主人公純には、長男哲也を重ね合わせました。中国でも出版されています。
自伝を書くには早すぎる!という編集者の意見を受けて、フィクションに。主人公はマキコではなく、アキコ。重い喘息で、寝たきり少女だった頃の、自分がいます。
UFOが見たい! 作品では何冊も宇宙人モノ、UFOモノを書いているのに、本物を見たことはまだありません。学校という場で、いじめがなくなるようにと願いをこめて書きました。私の本の中では、ロングセラーの1冊です。文庫版もあり(フォア文庫)。
慶太が小学生の頃、学園祭に親たちでお化け屋敷を作りました。異常に燃えたオトナたち。 「13日の金曜日」のジェイソンに扮したお父さんの大迫力に、泣き出しちゃった子も。その時の経験をもとにした童話。東映からビデオにもなっています。
J.フィニの、題名はなんといったかしら。地下鉄の階段を降りていくと、過去行きの列車がくる…。あの短編が大好きです。不思議な旅の切符を手にするのは、何かマイナスの要因を抱えた者のみ。そこで主人公の少女2人にそれぞれの孤独、疎外感を。執筆にあたり、取材をしない私にしては珍しく、あちこちの洋館をロケハンしました。
書いている作品と自分の日ごろ考えていることのギャップが辛くなった時がありました。輪廻転生、超自然現象、西洋史への興味。書きながら、私は主人公の少女になり、アンジュさんに質問していました。そして、次はアンジュさんになり、自分自身に答える。そんな風にして書き上げた作品です。
長男哲也へのいじめに悩み、子育てを反省し、自分を責めていた頃の作品。主人公の名前も哲也。単発もののつもりが、全5冊の「ミステリー・シリーズ」に。当時5年生だった哲也も、もう36歳。「ミステリー・シリーズ」の読者からは、今でもお手紙が届きます。
私の処女作。表紙の駅は、うちのそばの小田急線豪徳寺駅です。25歳。何もわからず、同人誌にも属さず、こつこつと1年半かかって書いた作品。幸運にも、翌73年の日本児童文学者協会新人賞をいただきました。